「ねぇ悠登…、なんであの時、私にキスしたの?」



「………っ」







…好きだからだよ


なんて言えない



「ねぇ、何で?」



だぁーっ!!近いっ



自分の気持ちを受け入れたら急に、いつもの距離さえ恥ずかしくなる




「…したくなったんだよ…キスが…」



あぁ…俺のバカ…もっと他に言い方あんだろぅが



「…そっか」



期待した返事じゃなかったのか、里緒菜はそれ以上何も聞かなかった



「里緒菜…悪かったな…その…キ…キス…」



「もういいよ、怒ってないし…あっ、買ったんだぁ、さっそくやらせてっ」



「…おう」



買ったばかりのゲームをやりながら里緒菜がぽつりと言った。




「…謝るくらいなら、最初からしないでよ…」




「………」



俺に言った言葉なのに、何も答えられない



俺が答えることじゃない気がしたんだ。


里緒菜の中にいる誰かに言ってるようなそんな気がした。