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―コンコン
「悠登?いる?」
珍しくノックの音のあとにドアが開いた。
「ちょっといいかな…」
いつになく控え目に俺の部屋に入った里緒菜は、どことなく元気がなかった。
「どした?」
「…うん…」
いつものように俺のベッドに腰をかける
あんなことがあったのに、すんなり俺のベッドに座れる里緒菜に少しだけショックを受けた
男として見られてないってことを思い知らされるようで…
あの日、自分の気持ちが整理できずに、八つ当たりして、無理矢理キスして、勝手に落ち込んで
…最低だな俺
でも、ようやく決心がついたんだ
俺は自分の気持ちと向き合うことに決めた
初恋に気付かない小学生じゃあるまいし、自分の気持ちくらいよくわかってる
ただ向き合うのが怖かっただけだ
里緒菜のそばにいたい
幼馴染みとして…
男として…
里緒菜が俺を必要としてくれるならどっちでもいい
ただ自分の中にある気持ちだけは大事にしたいから…
そう決めたんだ。