「見ぃ〜ちゃった♪見ぃ〜ちゃった♪」
っ!!
「真人先輩っ?」
後ろから声がして振り向くと、楽しそうな顔をした真人先輩が立っていた。
「君が…慶吾のお気にの、小泉里緒菜?」
真人先輩は、私をじっと見ながら
「なるほど…ね。」
そう小声で言った。
「あの…」
「あ、ごめん、別に見るつもりなかったんだけど、慶吾のこと探してて…」
不意打ちだったとは言え、キスを見られたなんて恥ずかしすぎる…
「里緒菜ちゃんさぁ…慶吾のこと好き?」
「え…あ…」
直球すぎる質問に、下を向いたまま顔を上げることが出来ない
これじゃ、バレバレだよ…
「…なぁ……なんで慶吾が里緒菜ちゃんをタマの世話係にしたかわかる?」
「…私がタマに似てるから…??」
「…、まぁ半分アタリで半分ハズレだな」
「どういう意味ですか?」
「そのまんまの意味だけど」
「そのまんまの意味って言われても…」
「…まぁ、そのうちわかるよ、んじゃな」
真人先輩は出口に向かって歩いていく
「待ってください」
先輩は止まることなく、後ろ手にピースを作って公園を出て行った。
人のいなくなった公園に一人…
《…わりぃ…忘れて…》
慶吾先輩の言葉が耳から消えなかった。