え…




背中に感じる大きくて暖かい感触


自分の肩を筒み込む、ごつごつした腕…



私…今…



慶吾先輩に抱き締められてるーっ!!


「里緒菜ちゃん…ありがとな」


「……私は…何も…」


「何て言うか…さっきの里緒菜ちゃんの言葉に救われたって言うか…」


「私は…思ったこと言った…だけで…」


「あの日…俺さ…超へこんでて…、タマ見たら自分と重なったっつうか…、そんな理由で連れて帰ってさ…。結局…学校で飼われるなんて、タマにとっちゃ、いい迷惑なんじゃないかとか…いろいろ考えててさ…超、ネガティブ」


「先輩…」



顎の下にある先輩の腕を緩めて振り返る


「タマは幸せ者ですよ?」


「里緒菜…黙って…」



「せんぱ……っ」


先輩は両手で私の頬を挟み、私の唇に優しく自分の唇を合わせた。