「めちゃめちゃかっけぇじゃん!!里緒菜ちゃんセンスいいよ」
「ありがとうございますっ」
新しい首輪の感触にタマは、しきりに首を振っている。
「こっからすぐ近くの公園なんだ、行こう」
「はい」
先輩の言葉通り、歩いてすぐの所に公園があった。
中心に、ゾウの形をした大きな遊具があって、真ん中がトンネルになっている。
「ここでタマに会ったんだ…。あの中に捨てられてた。段ボールの中でさ、怯えた顔して…」
「……」
タマは私達の会話なんてお構い無しに、公園の中をぐるぐる走り回っている。
「タマ、嬉しそう」
「あいつのお気に入りなんだここ、嫌な思い出があるはずなのに」
先輩は、タマの話をする時、時々すごく寂しそうな顔になる。
「…きっと…、先輩に会うためにここにいたんですよ。捨てられたんじゃなくて」
こんな時、もっと上手に伝わればいいのに…そんな悲しい顔しないでって、先輩には笑っていてほしいっていう気持ち
「タマはラッキーです。こんな格好いいご主人様に会えたんだから」
恥ずかしいこと言っちゃった…
先輩の視線に恥ずかしさが倍増…
恥ずかしさに耐えきれず、タマの元へ
「タマ〜っ砂遊びしよー」
私の声につられてタマが走って来る
タマを抱こうと屈んだ時、ふわっと何かに包まれた。