部活をしている生徒の声が遠くに聞こえて、人気のない休日の学校

校舎の裏側に来ると、さっきまで聞こえてきてた、部活動の声も耳に届かない。


タマの小屋が見えてきた


「ワンっ♪」



「タマ〜おはよっ今日よろしくねっ」



タマは尻尾を振りながら飛び付いてくる


「う〜っくすぐったぁいっ、でも気持ちいぃっ、タマぁ♪」


フワフワのタマを抱き締める



「ご主人様はまだかな?」

声が届いたかの様に、胸から離れて走り出したタマ


タマを目で追うと、視界に人影が映る


「おはよう里緒菜ちゃん」


「慶吾先輩っ、おはようございますっ」



慶吾先輩はタマを抱き上げ優しく笑った。


「ごめん、待たせたな」



あぁ私服も素敵…



「いえいえっ私も今来たたところです。あ…これ、タマに似合うと思って…、今付けてるの古いみたいだし…」


「開けていい?」


先輩に見つめられて顔が赤くなる、私はそれを隠すようにコクコクと頷いた。