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「すごぉいっ、ラインストーン入ってる」


タマに可愛い首輪を買ってあげようと真紀をお供にやって来た、生まれて初めてのペットショップ

可愛い服や、スタイ…

ワンちゃんグッズ盛り沢山

「どうせなら、先輩誘えばよかったじゃん」



真紀はさっきからそればっか…


誘えればそれに越したことはない


…けど…

先輩が私をタマの世話係に任命してくれた、それだけで、今日は十分すぎるほど嬉しかったから



「いつになく慎重だねぇ…里緒菜」


「慎重っていうか、どうしたらいいかわかんないだけだよ」


「憧れじゃなく好きなんだ?」


「…よくわかんないけど…もっと先輩に近付きたいな」


「…悠登も可哀想に…」


「え…?」


「ううん、何でもない。あっこれも可愛くない?」


真紀が手に取ったのは、ピンクの豹柄にゴツゴツしたシルバーが埋め込まれてる首輪


「ほんとだ可愛い、ワイルド〜」


「先輩のイメージっぽい」


真紀の一言でこれに決定



「真紀は、彼氏のこと大好き?」

「そりゃもちろん♪」


「羨ましい…、会ってみたいな、真紀の彼氏に」


「ふふ、そのうちね。里緒菜はこれからどうすんの?悠登ん家?」


「…千春から連絡ないし…行ってみようかな」


…会いづらいけど

心配だし…


それに…悠登と気まずいままは嫌だから




「千春って悠登のこと好きなのかなぁ?」


「何で?」


「何でって、そういうとこ鈍感だよね、里緒菜は。悠登に連絡したいって千春から言ってきたでしょ?」



確かにペットショップの誘いを断り、悠登の様子を気にかけてた千春



「千春は誰にでも優しいんだよ、あんなナンパ野郎、好きになんかなんないって」



千春が悠登を…?


ないないない…



原因不明の苛立ちに、勝手にそう思い込んで、足早に坂道を駆け上がった。