食べ終わったアイスの箱をゴミ箱に向かって投げた。
きれいな放物線を描いて、吸い込まれて行く。
「悠登、夏期講習なんで出なかったの?」
「ぁん?俺は第一志望、推薦で行けそうなんだ。」
…くっそ〜悠登め、相変わらず顔と要領だけはいいらしい…
「第一志望ってどこ」
「湘華学園」
…最悪…
「里緒菜は?まさか湘華とか言うなよ」
「そのまさかです…」
「おまっ、成績だいじょぶなのかよ」
悠登がそう言うのも、もっともだけど…
でも、どうしても行きたいの。
…だって
「慶吾先輩か?真人先輩か?里緒菜の考えてることくらいわかるよ。」
「な、何よ…悠登こそ、どうせ可愛い子がいっぱいいるって噂だから湘華に決めたんでしょ。」
全てお見通しと言わんばかりの表情で、続けて溜め息をついた幼なじみ。
「…まぁそんなとこ」
慶吾先輩と真人先輩は、私達の中学で知らない人はいないだろうと言うほど有名で、
かっこよくてワイルドな、慶吾先輩
知的で美形な真人先輩
女子達の憧れの的だった。
当然私もそんな二人に恋する一人
ただ見てるだけだったけど、先輩達の卒業式では号泣したっけ
今度こそ…今度こそっ
本物の恋をゲットするって決めたんだもん!
先輩と付き合えるなんて思ってないけど…
新しい出会いが待っているかもだし
私は突き進むっ
そこに恋があるかぎり
私はいつでも恋する乙女なのだ。