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「ここが俺ん家で、それが里緒菜ん家」



「へぇ…ほんとに隣なんだな」


「しかも二階の部屋の窓なんか向き合ってんだぜ」


「漫画の世界だな」


「だろ?」


「着替とか見えちゃったりすんの?」




「言うと思った」


「どうなんだよ…」


「まぁいいから上がれって」




隆司は俺の部屋に入ってすぐに窓に駆け寄った。




「…これじゃ無理だな、見たくても見えないか」



俺の家と里緒菜の家の間に立っている一本の桜の木


綺麗な花が咲いて、窓を開けると触れられるくらいだ。


「でも声は聞こえるから、昔はよく窓開けて話したりしたんだ…」



懐かしい幼いころの記憶


お互いに夜空を見上げて、月にうさぎがいるとかいないとか…そんな話をずっとしてた。