「真紀、彼氏に怒られるよ…」


「ふふ〜、平気だって、どうせならいい男に付けてもらいたいじゃ〜ん」



「「千春はどっち?」」


二人に同時に聞かれて、顔がこわばる千春


「わ…私は空いてるとこ…あれ?柳くんたちは?」



…そういえば悠登たちの姿が見えない


目だけで悠登の姿を探す



おっ発見!



どんな人混みでも悠登を見付けられるのは私の特技

何の得にもなんないけど…



一番端の列に並んでる悠登の周りには、女が何人かいた。



見るからに…ザ・ギャル


何を話してるかまではわからないけど、ギャル達に話しかけられて悠登は嬉しそう。


…あぁいう後腐れ無さそうなの好きだよね…


…ニヤニヤしちゃって



「ようこそ湘華学園へ、入学おめでとう」



「ひゃっ、」


バカ悠登のせいで、変な声出ちゃったじゃん、もう!


一年ぶりに見た慶吾先輩…


…かっかかかっこいぃ!



「あっ、ありがとうございます!」


真人先輩もいいけど、やっぱ私は慶吾先輩だなぁ


野性的な瞳…

細いのにたくましくも見える男らしい体型。


見とれていたら慶吾先輩の手が私の胸元まで伸びてきた。



…えっ


「じっとして…、リボン曲がってる」


…あぁ声まで素敵…


先輩の手が離れるまで心臓バクバク… 顔真っ赤だ私…



「よしこれでオッケ」



嬉しいやら恥ずかしいやらごちゃまぜの気持ちのまま、会釈をしてその場を離れた。






理事長や来賓の挨拶

歓迎の催しが始まっても、

私の頭の中は、慶吾先輩で一杯だった。