―――――――――
入学式の会場まで続く渡り廊下で、この学園に入った実感を噛み締める。
見る人すべてがステキに見えて、場違いなんじゃないかって思ったりして…
「里緒菜、あれ見てっ」
…あっあれは…
慶吾先輩っ!真人先輩っ!
まさかこんなに早く会えるなんて…
二人は新入生の一人一人に入学おめでとうのピンを付ける係らしく、美しい笑顔を振り撒きながらテキパキと作業をこなしている。
他にも係の人がいるのに、ほとんどの女子が二人の列に並ぶせいで、渡り廊下は混雑していた。
私も迷わず慶吾先輩の列へ
「真紀の彼氏って確かこの学園にいるって言ってたじゃない?そろそろ教えてくれてもよくない?」
いつも私にお説教ばっかする真紀は、肝心なところはいつもシークレット、まだ里緒菜には早いとかなんとか言っちゃって…、
おかげで私は親友の愛しのダーリンの顔はへのへのもへじのまんま、今に至る。
真紀は、当たり前のように、真人先輩の列へと歩いていく。