「…でもさ、みんなどうしてるんだろうとか気になるじゃん…。私、体かたいし…股関節痛そうとか…仰向けになったときの顔ヤバいとか…声の出しかたとか…」
「……はぁ…」
…真紀さん…本日三回目の溜め息ですよ。
…これだから処女は…とでも言いたげな顔だ。
「そんなこと考えてる余裕なんてないからっ、足も自然に開くし、声だって自然に出るのっ」
「そういうもん?」
「相手の全部を知りたいとか、もっと自分のこと知ってほしいとか、愛情がMAXになったときにするものよっ」
「…………」
「里緒菜はね、まずはそう思える相手と出会わなきゃ駄目」
真紀は彼氏とラブラブで、いつも一緒で、よく飽きないなとか思う
そんなこと言ったらまた怒られちゃうから、素直に返事をした。
真紀の恋愛論が正しいんだってことに、気付きもしなかったんだから、私は相当なおバカだったんだ。
楽しいだけじゃなくて、苦しくて切なくて…
それでも相手を愛しく思う
代わりなんていなくて、ただ ただ一人の人を求める
それが恋なんだって…