でも、これだけは分かって。
「遥が亜梨紗ちゃんのところに行っちゃうのは、寂しい」
「うん…」
言いたいことも言えないくらいに
簡単なことに臆病になるくらいに
好きすぎたの。
「もっとたくさん好きだって言って」
誰よりも遥が好きなんだって
堂々と言いたい。
誰よりも私を愛してくれてるって
感じたい。
「もっとたくさん抱きしめて」
気を使って気を使われて。
そんな関係はもう苦しいよ
「もっと、ずっと私を見ててほしい」
ねぇ、大好き
「すきだよ、遥――……わっ」
言い終えると同時に引き寄せられて、遥の腕の中。
「―………」
それはとても暖かくて。
大きな手に後頭部を撫でられると、私は目を閉じて大人しくおさまった。