心配されたくないと強がっておいて
結局、自分の弱さを隠しきれてないわけだ。
何も言わない私を無言で心配してくれていた愛那は、どれだけ焦れったい思いだったんだろうか。
遥だってそうだ。
私がどれだけ1人悩んでイヤになったところで、それを遥が分かる訳がない。
何も言わずに2人を振り回しているのは、私だ。
そして、それを全部遥のせいにしたのも私だ。
「私がワガママ言っても
離れて行かないの?」
遥は少し目を見開き、そしてすぐいつもの優しい笑顔に変わった。
「うん 誰も離れていかない
みんな凌が大好きで、ワガママ言わせたくてしょうがないんだから」
「………」
優しく笑う遥は誰より愛しい。
「だからそろそろ…心開いてくれる?」
「…っ……」
"嫌われたくない"
その一心で気持ちを押し込んでいた
そんなふうに恐がってばかりいた私のせいで、遥を傷つけてた。愛那を悲しませてたんだ。
「…置いてかないで」
「え?」
「置いていかれるのはいや。
待たされるのも嫌い」
もう恐がってなんかいられない。