「亜梨紗のことばかり気にしてる」

「そんなこと…「「凌は?
凌が気になることはないの?」


(私が気になること…?)

パッと思い浮かばなくて首を傾げると
遥はまた眉を下げて笑った。



「……亜梨紗に聞いた。
俺の家に泊まったって聞いたんでしょ?」


――"そのまま泊めてもらっちゃったの"



「…あぁ、…うん言ってた。」

そういえば。
いっぱいいっぱいで忘れてた。


「あれは亜梨紗の嘘だから。」

「…へ?」



「"悔しくなって咄嗟に言った"って。

朝来てたのは…俺の母さんにお礼だとかなんとか言ってただけで。
あの日病院出るとき、確かに泊めてくれとは言われたけど、そんなん意味わかんねーし
亜梨紗は病院からすぐにタクシーで自分んち帰ったよ」



「…そう…だったんだ。」


気にしてなかったはずなのに、
遥の言葉を聞いて安心する私がいた。