――――…〜〜♪〜♪

校舎から出たところで私のケータイが鳴る。



「……はい「「凌ちゃんあーそぼ♪」



「………遊輝…?」

「ん? やっぱダメ?」


……馬鹿。

(最高にタイミングが悪い。)



適当に断って電話を切ろうと思ったのに。



「まあ、ダメでももう諦めてね♪」

………?


「やほー、凌ちゃん♪」


校門を出たところで名前を呼ばれて振り返ってみれば遊輝……と愛那がいた。


「こんなとこで何してんの」

不思議なコンビに驚きながらも、
相変わらず人懐っこく笑う遊輝とその横で苦笑いしてる愛那を見た私は、無条件にホッとしていた。


…上出来だ。
思ったより普通に声が出て安心する。



「凌ちゃん待ってた♪」

「………はい?」


「さっき教室の前通ったら…遥くんといたから、」

愛那は少し眉を下げて笑った。

「……」

見てたんだ。


「入っちゃおーかと思ったけど…
真面目な話ぽいなと思ったから」

「あー…うん、そっかそっか」


そりゃあ、入ってこなくてよかったよ。
あの状況に愛那が入ってきたら、想像しただけで最悪な空気だ。



「……で、遊輝は?」


「凌ちゃん迎えに来たら愛那ちゃんに出会ってー。仲良くなっちった♪」

「あぁ、そう…」


(この2人で、会話は成り立ったんだろうか。)