ありさちゃんと幸せになれるように
なんてそんなこと願っていない。そんなの、
とてもじゃないけど考えられない｡
私はそこまで大人じゃないし｡
むしろ私と別れたことを後悔してくれればいいのに、と思う｡
私が遥と別れたのは、
ありさちゃんや遥のためじゃない｡
これ以上､傷付くのがいやだから。
もう､どんなに頑張っても敵わないありさちゃんの事を､考えるのも嫌になった｡
遥を信じられなくて､いつか捨てられて自分が壊れるのが怖かったから。
私が、勝手に負けて
勝手に逃げただけ。
『もう好きじゃない』
私が遥に言った､この言葉が本当なら
なにも言わなかった遥に
追いかけてこない遥に
悲しみなんて感じないはずで｡
｢…終わっちゃった｣
この､どうしようもない喪失感は
間違ってる。
