既にみんなが帰った後の、静かな教室に場所を移した私と遥。



「「……………」」

しばらくの沈黙。







「………「「遥はさ、」


その沈黙を破ったのは私だ。

すると何か考え込んでいたのか、私の声にピクッと反応する遥。


「うん?」

そんな遥を見つめてもう一度口を開く。



「遥は…私が怒ってると思ってるんでしょう?」


「………」



(いつも私の機嫌なんてすぐに直しちゃうのに。)



その遥が戸惑ってるのはきっと…不安だからだよね?


「私が怒ってると思ってる。
なのにハッキリその話に触れないのは、…私がどこまで知ってるのかが不安だから」

「………」


「どこまで知ってて怒ってるのかが分からないから」


私は遥を見つめ、できるだけ笑顔を向ける。




「……でしょう?」


遥が答えられないことを分かっていながら、こんな意地の悪い質問をするの。