「おはよー、遥」



私は普通に

……いや、"普通を装って"遥の前に立つ。


すると、どこか焦ってた感じの遥が
少し安心したような様子。



「……うん。…おはよ」


見上げた遥は、寝癖もそのままで。
制服も乱れてる。

(色気振りまきすぎて見方によっちゃあ、情事の後みたいだ)


「朝行けなくてごめんね、忘れ物しちゃって家に取りに戻ったの」

「…いや、……そっか」



私が怒ってると思ったの?


昨日の約束を破ったことと
ありさちゃんを家に泊めたことで
今の遥はきっと、私に罪悪感でいっぱいなんだと思う。



「…なんか用事?」

でもほら、私気にしてないから。

いつも通りだから。


「いや……」

だから、もういいよ。


「昨日は…ごめんな。」


謝らないでほしい。

どうしようもなく責めたくなるから。