「つか、彼氏くんはー?
まさかの置いてけぼりパターン?」



笑ってる遊輝に、一瞬固まってしまった私。


「?」


「置いてけぼり…かも。」


なんて言ってみれば
私、可哀相な子っぽい。



「凌ちゃん?」


ほら、遊輝だって反応に困るじゃんね。



「なんて。んなわけない……ぇ」


――フワッ





後頭部に大きな手が回されて。
目の前には肩が見えた。



「よしよし」


その、手や肩は遊輝のもので。



「……何してんの」


なぜか私は抱きしめられて。



「んー…、慰めてる?」


「疑問形?」

てか、落ち込んでないし。



そう言っても、遊輝は離そうとしない。



「まぁ…黙って慰められなさい。」


「……」