見上げればバッチリ目が合って、


「ねーどこ行くの?俺らと遊ぼーよ♪」

「すげぇ下向いて歩いてたけど大丈夫? 俺ら話聞くし♪」


私への言葉だと自覚する。


…どうも同じようなのに遭遇した記憶がある。

(今回は名前を教えるなんてヘマしないけど)



それにしても最悪。 なんで私なのよ。
今私どう見ても元気ないでしょ。

あ、元気ないから狙ったの?

迷惑すぎるし。

他に引っ掛けやすい女いっぱいいるでしょ…


「って…あれ?」



顔を上げれば、薄暗く細いこの道に人が通っている様子は全くなかった。


誰かいないかと見渡してみても
本当に、人一人見当たらなくて。



私、こんな道歩いてたんだ?


「…………」



どんだけ遥の事しか頭になかったんだろうか。