「な〜んてね?嘘に決まってるから!」


ケラケラ笑いながら俺の隣に座る直佑さん。
直佑さんは美桜様の従兄である。


「…え…」
「美桜が幸せなら俺は諦めるって決めたし、いつまでも美桜のお兄ちゃんだし、美桜の近くにいるから。」
「…直兄…っ…振ったから戻って来てくんないかと思った…」
「振られたからって、そんな柔な男子じゃねぇ。」


そう言った瞬間崩れさる積み木のように美桜様は泣き始めた。


「美桜…おいで」


直佑さんは、海外では有名な歌手だ。
日本には絶対に進出したくないと言うのには理由がある。
直佑さんは、小中学校でイジメにあっていたから。