「よっふぉ……らしょ」 はぁっと息を吐き、すとんと腰を下ろした爺さんがオレを見てる。 「ふぁんだってまぁ、汚ふぇて」 「にゃ?」 聞き取れねぇぞ、爺さん。 「なんだってまぁ、汚れて」と言ってるのか。 そうだよな? そうしとこう。 爺さんの皺だらけの手が背中を撫でてきた。 丸まった背骨に沿うように、そっとだ。 ゴロゴロゴロ…… おおぅ。 驚いた。自然に喉が鳴っている。