「ん…無理だよっ。だって健司モテるし、わたしなんか…。」

奈々は俯きながら言うから、やっぱりかわいい。


「奈々なら大丈夫だって。」

美月が奈々の頭を撫でる。




「じゃああとはゆきだけだね。」

「ふぇ?」

美月がいきなり話を振るから、ビックリして変な声出しちゃった。…恥ずかし。

わたしだけ…って?



「ゆきは好きな人いないの?」

「いない。」

「え?即答?
…ってか矢野千秋とはあの後どうなの?」

な、なんでここで会長が出てくるかな…。



「会長とは何もないよ。…あっちが勝手に付き纏わってきただけだから。」

「ふ~ん。矢野千秋って意外と慎重派なんだぁ。
ったく、早くしないとゆき他の男にとられちゃうってのに。」

は?…何それ。
も~。美月、わたしの反応見て面白がってる。


美月がちょっとイライラしながら言うから、奈々は笑ってた。