冬休みまで残すところ、あと二週間になった。



「あ~今年もクリスマスは一人かぁ。」

奈々がボソッと呟いた。


ただいまお昼休み。お決まりの保健室でわたしたちは、ランチタイムだ。



奈々は同性のわたしから見ても、すごくかわいい。けど彼氏がいないのは不思議だった。

もうすぐクリスマスだもんね…周りでは毎年のことながら、カップルが増えてきた。



「奈々は一途だもんね~。」

美月がニヤリと笑う。


奈々には、好きな人がいる。サッカー部の橘くん。奈々と橘くんは保育園からの幼なじみなんだって。

誰がどう見ても、橘くんは奈々のことが好きなのに、お互い奥手でなかなかくっつかないのが、わたしも美月も気になっていた。



「早く告っちゃいなよ~。」

美月が他人事のように言うから、奈々は頬を膨らませた。

美月は淳弥くんとラブラブですからね。