あぁ…雨の日は気分までどんよりする。冬なんだし、雪の方がまだよかったのに。
わたしの家は、学校から歩いて20分くらいだ。電車通学の子もいるから、わたしはまだ近い方。
だけど…この雨はナイ!
住宅街の小さな公園の側が、わたしの家だ。
公園を通り過ぎようとすると…誰かが傘もささずにしゃがんでいた。
うちの学校の制服?
よく見てみるとそれは会長で、会長が見つめる先には…小さな子猫。
会長のものだと思われるビニール傘が、小猫が入った段ボールに寄り添っていた。
「く、くすぐったいって。」
会長の手を猫がペロペロと舐めていた。
愛おしそうに見つめるその顔が、なんだか無性にムカついた。
そんなずぶ濡れになって…バカじゃないの?