「…姫乃と俺は幼なじみで、社長が勝手に決めた許嫁だった。」
あたしも響、目を丸くして驚いた。
「俺は姫乃と一緒になるつもりでいる。でも、姫は社長に言われて俺が動いてると思ってるはずだ」
「中島さんは言わないんですか?自分の気持ちを」
響が怒った口調で言った。
「言うよ。川口くん、茜ちゃんには嫌な思いをさせてすまない。俺がアメリカにいってる間に誰も姫を止めれる奴がいなかったから…」
中島さんは彼なりに悩んでたんだ…
「川口くん退職届についてもう少し考えてくれ、茜ちゃんと居たいから出したんだろう?」
「はい、平間さんとは結婚とかできません。茜じゃないとダメなんで」
響……
ありがとう…
こんなにもあたしを思ってくれてたなんて…
あたしは世界一の幸せ者かもしれない…
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