近道でちょっとバーや居酒屋が建ち並ぶ通りを抜けることにした。
「こんなところ通ってくるの?」
「いえ、この道通った方が早く家に着くので」
「へぇ~近道ってことかい?」
「はい」
中島さんは物珍しそうにきょろきょろしながらあたしの隣を歩いている。
えっ…
「茜ちゃん?どうしたの?」
あたしが急に足を止めたから、中島さんは2,3歩行って足を止めた。
見間違えじゃない…
あれは…響だ…
ちょっと有名なバーから中年の男の人と響が出てきた。
そして…
「あっ、姫乃だ…」
中島さんが誰かの名前を呟いた。
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