翌朝、一緒に朝ごはんを食べていると

「しばらく帰ってくるの遅くなるかもしれないから、先に寝てたりしていいから」

「わかった。そんなに大変なことが起きてるの？」

そう聞くと、響は顔をしかめた。

「まぁ…」

もしかして何か隠してる？もしかして浮気？響がするわけないよね？

「仕事だから、今お前が思ってるようなことじゃないから安心しろ。」

えっ？心読まれてた？

「お前、顔にですぎる。」

「そうなの？」

響はうんと頷いた。






いつもの時間に部屋を出て、会社に向かった。

いつも通りに仕事をこなしていく。

「茜ちゃん、これ資料室に持っていくの手伝ってくれる？」

千鶴さんに頼まれたら断れないでしょ？

「はい。」

いくつかのファイルを手分けして、資料室に持って行った。その帰り道、川越さんにばったり出くわした。

なんだか暇そう…響があんなに忙しそうなのに…

「あれ？こんなところで何してるの？」

こっちに気が付いた川越さんがやって来た。

「ファイルを戻しに来たのよ。」

「へー」

川越さんは大あくびをした。

「川越さんはどうして暇そうなんですか？」

気になるから…

「もしかして…川口のやつ…」

「響に何かあってんですか？」

「あいつの口から聞きなよ。俺から話すことじゃないと思う。」

そんなに重大なことをあたしに隠してるの？

「それじゃあ俺は仕事に戻るから。」

逃げられた…


「あたしたちも早く戻ろう」

千鶴さんに促されてオフィスに戻った。



響は何を隠してるの？あたしに話せないこと？




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