しばらくすると父さんがリビングに現れた。

「あっ、初めまして、川口響です。茜さんとお付き合いさせてもらってます。」

響がきちんと挨拶をした。

父さんどうゆう反応するかな?

「初めてではないはずだよ。高校の卒業式の日にあったよ。」

いつも通りの優しいお父さんだ…

「…そうでしたか。すみません、覚えてなくて」

「いいよ。今日はゆっくりしていきなさい」

「はい」



母さんの手料理がテーブルを埋めた。

どれもこれも美味しそう…

「車で来てるのよね?」

と母さんが響に尋ねた。

「はい。」

「残念だね…折角ビールとか用意したのに」

ビールを2本持ってきた父さんが残念そうな顔をした。

「すみません。」

「今度また来たときは飲もう」

「はい」

緊張している響はペコペコしてばかりだけど、ご飯を食べ始めてからは表情が柔らかくなった。



「茜が恋人を紹介してくれたの初めてよね?」

母さんが口を開いた。

「そうだっけ?」

まぁ…彼氏、家に連れてきたことないね

「茜もそんな年齢になったってことだよ、母さん」

父さんが響の酌を受けている。

「そうね。で、いつから付き合ってるの?」

食べていたものを喉につまらせそうになった。


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