「茜ちゃん?大丈夫?」

隣の席でパソコンをいじってるのはあたしの会社の先輩、立石千鶴さん。
あたしのお姉さん的存在!
とっても尊敬してます


「ちょっと走って来ただけです…」

息切れしているあたしに少し驚いたんだろうな

「ならいいけど、部長さん呼んでたよ」

「えっ!?あ、わかりました」





部長もパソコンや書類とにらめっこしている。

「部長、呼びました?」

恐る恐る声をかけると部長は顔を上げた。

「明日ある会議の資料は?」

「出来てます。今持って来ます」

最近では失敗が減って、部長やら先輩やらに褒められる方が多くなってきた。

部長に資料を渡して、確認してもらう。

ちょっとドキドキ…何回も確認したから、間違えはないはず!

「OK、いいよ。」

よし!!

「はい!」

嬉しさのあまりちょっとスキップしちゃった!



今日は定時で帰れそう!

日が傾き始めたころ、会社の定時の時刻になった。

急いでバックに荷物を詰めている。

飲みに千鶴さん誘おうかな!

「千鶴さん!」

「今日はあんたの相手できないわよ」

誘う前に断られた…

「そうですか…」

しょんぼりしながら会社を出ようとすると


どんっ!


いたぁ…鼻打った

「大丈夫か?」

低音のかっこいいこの声は…




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