昼休み、千鶴さんに連れてこられた所はなぜか社員食堂
嫌いって言ってたのに…
「食べようか」
席が空いてたから今日はご機嫌みたい
「はい、でもどうしてここに?」
「会社の噂聞くならここかなって思って」
会社の噂?
「どう考えても平間さんって怪しいのよね。いきなり結婚だなんて…だってあの子川口君狙ってたでしょ?」
「はい…」
「あの子の性格から諦めそうにないし…」
「そうですね」
ご飯を食べながら周りのテーブルの会話を盗み聞き
「社長の娘が普通の社員として働いてたらしいよ。」
「まじで!?」
「しかもあの川口さんの彼女なんだって」
「えっ?川口さんの彼女って噂になってた人?」
「違う。その人の後輩が社長の娘で今の川口さんの彼女」
「もしかしてその社長の娘と川口さんが結婚したら、その内川口さんが社長になるの?」
「そこまではわからない」
その人とはおそらくあたしのことでしょ?
人の会話聞くのってちょっと怖い…
半分ぐらい食べた時、千鶴さんの横の席に思いがけない人がやって来た。
「ちょっと!何?」
千鶴さんが横に座った川越さんを睨んだ。
「茜ちゃんに用事」
あたしに?
「川口ときんちんと話してないだろ?」
「はい。時間がなくて」
正直に言うと川越さんはニヤリと不敵に笑った。
「もう少ししたら、わかることだから。あいつのこと待っててやって」
そう言い残して川口さんは出て行った。
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