翌日、出社すると平間さんを上司や同僚たちが囲んでいた。

なんだろ?

「茜ちゃん」

千鶴さんに手招きされてその輪に入った。

「平間さんがどうかしたんですか?」

千鶴さんに聞くと、すごく怖い顔をしていることに気が付いた。

「彼女…とんでもないわよ。社長の娘ですって…それから…」


社長の娘!?あたし、この子と響をとりあいしてたの?

危うく首にされそうになってた?でも…このまま響と付き合えば響もろともリストラされる?



「茜ちゃん?聞いてる?まだ調子悪いの?」

ぼーとしてたもんだから千鶴さんに気を遣わせてしまった。

「あっ、すいません。」

「平間さん、仕事今月で辞めるんですって。結婚するから」

平間さんが結婚?誰と?まさか響と?いつの間にかそんな関係に…だから昨日腕組んでたの?




「茜ちゃん!?」

ぐらっと眩暈がしてよろけてしまった。

「大丈夫です。ちょっとびっくりしただけです。」

「本当に?」

はいっとにっこり笑って見せた。

平間さんは今日も仕事をせず、報告だけですからと言って帰って行った。




平間さんの結婚相手…誰なんだろうか…





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