「お母さんから聞いたんでしょ?私の病気のこと」

俺は頷いた。


雅は、静かに微笑んだ。


「治らないんだって。原因不明なんだって」

雅はそう言いながら、公園にある噴水まで歩き出した。俺はその後をついていった。






噴水の前でくると、雅は話し出した。


「このまま、病気はどんどん進行していくんだって。頭痛だって増えてくるし、記憶まで無くなっちゃうんだって。今まで普通に歩いてた道が分からなくなって家族のことも…最後には…自分のことも……分からなくなっちゃうんだって」

雅は、必死に涙をこらえていた。