「……はぁ、まったく。貴方は昔からなにも変わっていませんね」





ボソリとつぶやかれたその言葉は、呆れたように聞こえた。




「……えっ?今なんて……」




昔からなにも変わってない…?




いったいどういうこと??





この人は、僕の過去を知っているとでもいうのか?




訳がわからず、相手に質問しようとした。





「いったい、どういう……」





でも、それは、突然の





「……っ!!」




出来事で、何も聞けなかった。




足元にいれていた力が抜けてきて、自分の力では立っていられなくなり、地面に
手をついた。




なんで、こんなに頭がクラクラするんだ…?







『それは、あまりにも突然で……』





「……クスッ。大丈夫ですか…?渡さん」





そんな嘲笑う、少しも心配していなそうな、その低い声が耳に届く。




『自分の力では、どうすることもできなかった』