「ちょっ……!待って下さいっ!」





必死に掴まれた右手を振って、相手から逃れようとする。




だけど思ったより、強く握りしめていたのか、中々掴まれた手は離れない。






「離して下さい…!」



グイッと勢いよく自分のもとに戻した。



ようやく力いっぱいにだして解放された。




いったい何なの?



僕が何したっていうのさ。




わからない……



この人の考えも、

この人も!



キッと少し睨みをきかせ、相手を見やる。




だけど、この暗闇の中。



相手がどういう顔でこちらをみているのか、さっぱりわからなかった。