見る限り、僕の知っている人ではなさそうだと判断したが、この人は何故僕の名を知っているのだろう。






暗闇でよく見えないが、顔のパーツは他よりも整っているとみた。






僕は質問されたのも忘れて、その人を見つめていると、僕の答えに痺れを切らしたのか軽く咳払いをして、また質問をしてきた。







「私の顔に何かついていますか?さっきからじろじろ見ていますが……」





その声にハッとして僕は急いで応えた。





「あ…いえ。すみません」






ふぅと息を零し、続けて問いかけてくる。






「もう一度聞きます。貴方は三羽瀬 渡さんですか?」