「北村凌…ね…。 あーあ。 ほんと、嫌味な奴」 期末テストの順位表が貼られたボードの下。 綾香が文系の隣に貼られた理系の成績順位表にサッと目を走らせ、顔を歪める。 「何があっても…。 どんなことがあっても…。 余裕で、ぶっちぎりの1番ってワケだ」 チっと軽く舌打ちをし、忌々しそうに顔をそむける。 そう…だよね。 凌をよく知らない綾香には、そう思えるかも。 でも… 『何があっても…。 どんなことがあっても…』 綾香はそう言ったけど。 でも… …これが“凌”だったり…するんだよね。