裕司くんの気遣いが、純粋に嬉しかった。 



再会を祝福して、ビールまで用意してくれていたことにも、心が動かされた。 


空になった缶ビールが二本、カタンッとガラステーブルに置かれた。 



静かな部屋の中では、何一つ音を立てるものはなく、相手の息遣いまでが聞こえてきそうだった。  



「本当にここからの眺めは最高だね。……あっ!東京ドームも見えるね」



「えっ?ウソ……」 



窓ガラスに張り付き、裕司くんの指差す方向をジッーと見つめると、確かに丸い建物が見える。 



漆黒の世界に、丸い円盤が明かりを放っている。 



「ほんとだ。気付かなかった…」