そうした合間を縫って、週末は、相変わらず伸也さんとのデートを楽しんでいた。


そんな穏やかな、ある日の昼下がり。


話題に上っていた邦画を観た帰り、イタリアンレストランでランチをしていたときだった。


店員に白ワインのデキャンタを追加オーダーした伸也さんは、空になりそうなワイングラスを飲み干し、私に向き直った。


「両親に会ってくれないかな?」


珍しく真剣な面持ちで言われたので、フォークを操る手が止まった。


同時に、胸がドクンと高鳴った。


両親に会うということが、どういうことを意味するのか、さすがの私にも理解できたからだ。