――あの日以来、彼からは、何の連絡もない。



私の方からも連絡はしていない。



この半月余り前の出来事が、すべて夢だったかのように……


まるで、何事もなかったかのように……



今日も静かな時間が過ぎていく。



時々、どうしようもない焦燥感に襲われる。



暇さえあれば、彼のことを思い出し、ひとたび考え出すと、時間を忘れてしまうほど。






堪らなくなり、仕事が一段落した私は、車を飛ばし、海までやってきた。