「こんな奴…
好きじゃない。
ってかさ、今時ラブレターとか古くね??
キモイから」
それはとても残酷な言葉だった。
「お前ら冷やかして何が楽しいの?
まじうざい。」
そしてあたしに体を向け、こう言った。
「お前もさ、ラブレターって柄じゃねぇじゃん
まじ、笑えるって…
俺はお前のこと大嫌いだから…」
【大嫌いだから】
今何が起きているのか、あたしはまだ掴めていない。
ただ分かることは、将平はあたしのことが大嫌いということだけ。
気が付いたら自然に涙が頬を伝わっていた。
「莉那…」
周りの友達があたしをあやすように寄ってくる
冷やかした男子たちも思いがけない将平の言葉に戸惑っている。
あたしは何もない暗闇の中に、ひとりポツンと立っているようで
周りの音も、人の声も何も聞こえない
何も感じなかった
ただ、将平のあの言葉がエコーのように繰り返されるだけだった。
もう、将平を見ることができなかった…