あるとき、将平が告白されるようになった。
でも、どんなに可愛い子でも、美人な子でも絶対に断っていた。

きっとこのころから将平に対して独占欲が強くなっていたのかもしれないね

いつしか、あたしは一緒に居るとき自分の気持ちに我慢ができないくらい、将平に対しての想いは大きくなっていった。
なにもあたしの気持ちに気づかない将平にどこか、もどかしさも感じていた。

もし、このまま将平に好きな人ができて、彼女ができるとしたらあたしは隣でそれを見ているのは絶えられない。

あたしと将平はただの幼なじみ。幼なじみという環境で、ただ隣にいるだけ。
あたし…このままでいいの?このまま将平に彼女が出来て…
将平に彼女ができたら、あたしたちの関係も終わってしまう。

幼なじみという関係が切れたら、あたしには何も将平と関わる機会なんて絶対ないよ

あたしは中学一年の7月、告白することを決めた。

このまま将平に彼女ができて、幼なじみという関係が切れるくらいなら、
告白する。そう自分に言い聞かせた。


もし、あたしが告白して、振られたとしても、絶対あたしたちの絆は切れない。
赤ちゃんの頃から一緒だった。
毎日遊んで、登下校も一緒だった。

そんな簡単に切れる仲じゃない。

覚悟はもう、できていた。あたしは将平との仲が切れない自信があった。



告白する手段は手紙にした。
そういえば将平に手紙なんて書いたことは一度もない。

手紙はベタかもしれないけど、将平は必ず読んでくれる。




告白する前日の日何回も、何回も書き直した。
少しでもいいから、綺麗な字で、将平を想いながら書いた。


告白の日の朝。あたしの心臓は告白する前からドキドキ、ドキドキと高鳴っている。


大丈夫。大丈夫。あたしは何回も自分に言い聞かせた。

あたしは昼休み、将平がグランドで遊んでいるとき、将平の鞄に手紙を入れた。


もし振られたら?

それでもいい。

ただ、あたしの気持ちを知ってもらえるだけで…

もし、振られたら、幼なじみという関係に戻して、隣に居れればそれでいいんだから。





あたしはこのとき、自分の考えをとても甘くみていた。