私、ヒナ。

家の事情で、この学園に転入してきました。


「この学園は…元……」


私は今、学園の理事長から説明を受けています。

でも初日の緊張で説明が頭に入ってこない…。


「そろそろ君の担任がくるころだな。」


担任の先生かあ…。

男の先生かな?女の先生かな?




コンコン

ノックの音がする。


「君の担任、神崎 潤 (カンザキ ジュン)先生が来たみたいだね。入ってくれ。」


扉がゆっくり開く。


「失礼します……ってヒナ!?」

神崎先生が目を見開く。


「もしかして…ジュン兄?」


「そうだよ!10年ぶりだなー!」


神崎先生…じゃなくって、ジュン兄がニッコリと笑う。




10年前、ジュン兄は、私の家の近所に住んでいた。

その時にジュン兄は、よく私と遊んでくれたんだよね~…。


でも私が小学校上がる前に引っ越しちゃったけど…。


「それでは理事長。佐藤を教室につれていきますね。」


私は、ジュン兄に手を引かれながら、理事長室を出た。




長い廊下を二人で歩く。


「なんか、ジュン兄が先生って、なんか意外かも。」


「そうか?…って学校では、ジュン兄じゃなくて『神崎先生』って呼べよな。」


「分かりました~。」

私は、クスクス笑いながら言った。






「ここがヒナの教室だ。俺が先入るから、少したったら入ってきてくれ」


「わかったよ。」

うぅ…緊張してきた。


ガラガラ―…


「お前らー、今日は転入生が来たぞー。」


ざわつく教室。


「どうせ、また男だろ。」

「期待しないほうがいいよな。」


ガラガラ…

「おいっ!女だぜ。」

「まじで!!?」




「(全員男子!?うわぁ緊張するよ~っ)」

…でも、言わなきゃね!


「佐藤ヒナです!よろしくお願いします!!」

ニコッ!


「……///」

クラスの男子の顔が赤くなる。…どうしたんだろ?