私、ヒナ。
家の事情で、この学園に転入してきました。
「この学園は…元……」
私は今、学園の理事長から説明を受けています。
でも初日の緊張で説明が頭に入ってこない…。
「そろそろ君の担任がくるころだな。」
担任の先生かあ…。
男の先生かな?女の先生かな?
コンコン
ノックの音がする。
「君の担任、神崎 潤 (カンザキ ジュン)先生が来たみたいだね。入ってくれ。」
扉がゆっくり開く。
「失礼します……ってヒナ!?」
神崎先生が目を見開く。
「もしかして…ジュン兄?」
「そうだよ!10年ぶりだなー!」
神崎先生…じゃなくって、ジュン兄がニッコリと笑う。
10年前、ジュン兄は、私の家の近所に住んでいた。
その時にジュン兄は、よく私と遊んでくれたんだよね~…。
でも私が小学校上がる前に引っ越しちゃったけど…。
「それでは理事長。佐藤を教室につれていきますね。」
私は、ジュン兄に手を引かれながら、理事長室を出た。
長い廊下を二人で歩く。
「なんか、ジュン兄が先生って、なんか意外かも。」
「そうか?…って学校では、ジュン兄じゃなくて『神崎先生』って呼べよな。」
「分かりました~。」
私は、クスクス笑いながら言った。
*
「ここがヒナの教室だ。俺が先入るから、少したったら入ってきてくれ」
「わかったよ。」
うぅ…緊張してきた。
ガラガラ―…
「お前らー、今日は転入生が来たぞー。」
ざわつく教室。
「どうせ、また男だろ。」
「期待しないほうがいいよな。」
ガラガラ…
「おいっ!女だぜ。」
「まじで!!?」
「(全員男子!?うわぁ緊張するよ~っ)」
…でも、言わなきゃね!
「佐藤ヒナです!よろしくお願いします!!」
ニコッ!
「……///」
クラスの男子の顔が赤くなる。…どうしたんだろ?