いつもより多い足音。

私を真ん中にした5人分の影が道路を飾る。


なんで、私が真ん中……?
皐月は優が好きで、奈美は美月が好き。
私は………邪魔?邪魔だっ!
なんとかしないとっ!



「あ!今日、習い事があるんだった!急がないと~。美月は奈美送って、優は皐月を送ってね!大変!遅れちゃぅぅ」



私はそう早口でいいその場を走り去った。

私が去ったあと四人がそれぞれに聞こえないように

「棒読み…」

とつぶやいたのだが、そんなこと知るよしもなく私は「いいことした~」とご機嫌で家路についた。