僕を傷つけないように言葉を選びながら、満里奈先輩は困ったなぁと繰り返す。

わがままなのは僕のほうだ。

最初から僕と先輩は、繋がってなんかなかったのに。



女装した僕が引いた当たりくじ


先輩が部活を引退するまで…


期間限定の彼氏


先輩のそばで僕は、彼女の何を見てきたんだろう。


満里奈先輩のそばにいるために、僕は何を言えばいいんだろう…。

嘘でも幸せだったんだ、だからお願い、


押し潰されそうな緊張感が僕の胸を飲み込んだ時、



「…ねぇメガネくん、キミなら大丈夫だよ…」


言いながら先輩が僕を見つめた。