「私もそれがいいわ。お酒、・・・少し飲んでみたいな」
ターミーがいつもの悪戯っぽい目で、僕を見上げて言った。
「駄目だよ、君は未成年だからね」
僕は彼女の表情に惑わされないように、カウンターの正面を向いてぐいっとグラスを空けた。
「私はもう大人だわ。叔母や兄さんは、いつまでも私を子ども扱いするけどね」
彼女の愛らしい頬がまた膨らんだ。
「・・・しかし」
「お願い、軽いものにするから・・・ねっ?」
(なんて眼差しで懇願するんだ!卑怯だぞ)
僕にはノーは言えなかった。
「少しだけだよ。ぶっ倒れない程度のにね」
「やったー、マサヤって話せるぅ」
そんな目をされたら、僕は君に店のアルコールを全部試したいと言われても、拒否できないだろうな。