「送るよ、家はどこだい?」


僕は彼女の腕を取って外へ向かうよう促した。


「何言ってんのよあんた、今日の稼ぎはまだ目標の半分なのよっ」


少女は目を吊り上げた。


「あといくら足らない?」


今度は僕が、ため息をついて言った。


「さっきのあんたの稼ぎの半分!!」


少女は目を輝かせて言った。


「そら、これ持って家に帰るんだ」


僕は、ブラックジャックで儲けた半分を彼女に差し出した。


少女はひったくるようにそれを取り上げると、サンキュと言って、外に駆け出して行った。