僕は受話器を取った。
「ハロー」
外線なので、僕は英語で答えた。
「ジョンです。カズはそちらの部屋に?」
「ああ、ちょっと待ってもらえるかな」
僕は和樹に受話器を渡した。
「ジョンからですよ」
「何だあいつ、約束までまだ30分以上もあるぞ。・・・ハロー、何だって?リディアが?まいったな。何で今日でないと駄目なんだ?なんとかしろ。明日なら都合つけると言え」
和樹は無造作に受話器を置いた。僕はじっと和樹を見た。
「雅也君、実は急用が出来てね。それと明日なんだが、歓迎パーティの途中で抜け出す事になりそうなんだ。勿論君の事はジョージの家族によく言って退屈させないようにするよ。とにかく今日は面白い所へ案内するから」
和樹は一生懸命の口調でそう僕に言った。