「アイは……いる。けど、あたしたちの知っているアイじゃない。」

その声は、震えていた。

「は?どういうことだよ!?」

「あの日……アイがこの街からいなくなった日、アイは事故にあって、病院に運ばれてたんだって。」

「うそだろ!?!?」

オレは思わず叫んでしまった。

「記憶が…無くなっちゃったんだって。お父さんとお母さんも、亡くなったってー…」

ルカの言葉は、胸に突き刺さった。

その場から、一歩も動けない。
手が振るえ、汗がにじむ。
目から涙があふれてくる。